私達は走ったが、数分後栗原はある場所で止まった。





「栗原、ここは私の家の庭・・・」






栗原は私の質問に答えず歩いている。
すると、いつもは使われない裏口の前で止まった。




「お嬢様、ここで隠れましょう」











はい?











いやいや、場所が変わってもここは私の家の範囲内なんですが・・・
絶対数分後、手錠かけられてもおかしくないって。










「栗原、冗談・・・」
「冗談ではないです、では行きましょう」



栗原は私の手を取る。
しかし私は手を振り払った。


「栗原は私を陥れようとしてる!」
「・・・お嬢様、私を信じてください。この状況で冗談でもお嬢様を陥れようともしていません」



栗原は私を引き寄せきつく抱きしめた。




「私だって怖いんです。でも、この8年間、お嬢様を見てきて私はお嬢様をずっと信じてきました。それが執事というものでございます。わかりますか」
「・・・私だって怖いよ」
「どちらかが疑ったら終わりです。」




この状況で、私は彼を信じるしかなかった。
でなきゃ私は無実の罪で掴まるからだ。



一か八かの賭けだった。
それが間違った道であったとしても・・・・