「父様…?」 「は、はい」 なんか姿勢をピシッと正す神。 相手はお偉いさんではなく自分の娘。 「あの、このお人形、もらっていただけませんか?」 そう言ってララが差し出してきたのは、お人形さん。 お人形さんなんだけど、普通のお人形さんじゃなかった。 髪は前髪が少し長めで、後ろ髪はふたつに縛っており、目がギョッと神を見ている。 そして口元は、 不気味に笑っていた。 神は背筋が凍ったのをひとり感じていた。