「あ、小鳥遊くん!!!」
俺の名前を呼び近付いてきたのは長身、穏やかな表情の加賀
よかった来てくれた
よくみればガチで緊張した様子
そうだろうな…入学式以来一年以上振りだもんな
それより三嶋とかが何回説得してもダメだった加賀をたった二日で心の隙間に入り込んで引きずりだした
やっぱり同い年っていうのがよかったのか
ピタリと加賀が教室の前で立ち止まる
「どうした?」
「あ…うん……」
俺はニヤリと笑い加賀の腕を掴み教室に入る
騒がしかった教室が静かになる
「加…賀……?」
クラスの一人が呟く
加賀は静かに頷く
「加賀ぁぁぁぁぁ!!!!」
大歓声
もちろん男子のみなのでむさ苦しい
野太い声
加賀はクラス全員に押し倒される
「うわ!?」
「入学式以来だなぁ加賀ぁ」
男共にもみくちゃに揉まれる
加賀が俺に助けを求めたが聞かなかったことにした
「なんやぁ朝から暑苦しくなぁ」
風間が苦笑いで教室に入ってきた