もう涙は止まらない
―死にたくない…―
そうやって泣きながら死んでいった友人がまた甦る
加賀も泣き始める
「僕は…このままじゃ一生母さんの人形として生きていかなけるばならない…それが嫌なんです…」
風間が泣いてはいないが無言で俺達を抱きしめた
「人形……?」
「母さんは僕に医者になる道しか与えてくれない…医者以外になったら捨てられる……」
やっと加賀の心の声が聞けた
「朝希……あんたの夢はなんや?」
風間が口を開いた
「…笑われるかもしれませんが……保育士…」
加賀がそう言うと風間は微笑み
「保育士かぁ…朝希は身体大きいしなにより優しい…向いてるで?」
加賀も笑った
俺も少し笑った
「医者は嫌です…僕は兄さんと違う道を行きたい」
「そうやあんたの未来はあんたが決めるべき…周りが何と言おうと自分の気持ちを大切にするのが1番や」
風間は加賀の頭をぽんぽんと撫で立ち上がる
「そんじゃ…あんたの母親にうちが話つけるで」
ニカッと珍しく黒笑いで加賀をみる
窓の外には帰ってきた母親が見えた



