私が固まってしまったのを見て、女の人は困った顔をしている。 「潤の知り合い?」 この人、潤って呼んでるの? 潤くんの何? 何も言わない私にイライラしたのか、 「潤はまだ仕事で帰ってきてないから。出直して。」 バタンとドアを閉められて、ガチャンと鍵もかけられた。 気付いたら私はその場から走り出していた。 教科書が入ってる鞄や夕飯の材料が重くて、中々思うように走れなかったけど、とにかく走った。 家に着いて荷物は全部玄関に落としたまま、私は自分の部屋のベッドに倒れ込む。