「うん?進路希望調査?」 ソファーに座った潤くんが、私の出しっぱなしにしていた進路希望調査の紙を見ている。 『明日までに出せって言われたんだけど、まだ何も考えてないんだ。』 「じゃあ、まだ考えてないって書けば?」 『うーん。潤くんは、最初から就職しか考えてなかったの?』 私は料理の手を止めて、潤くんに聞いてみた。 「いや、逆。適当に大学入って4年間で考えようと思ってた。」 『じゃあ、何で就職したの?』 「気が変わったんだよね。4年もあればめっちゃ稼げるって。」 『そうなんだ。』