「美憂。何飲む?」

「お茶でいいわ」

「何?もしかして飲めねぇの?」

「飲みたくても飲めないのよ」

「それって……」

どういう意味だ…?


―――一瞬、そんな疑問が
頭を過(ヨギ)ったが、


あえて問うまでもなかった。


「もしかして…」

美憂がいとおしそうに、
自分の腹を撫でた。



―――それでも気づけないほど、

俺はバカじゃない―…。






「妊…娠……中………?」

―――なるべく…
考えないようにしていた、
恐れていた事態が、起こった。