「…………ね、七菜。あそこにい
るのって、京さんじゃない?」

―――杏樹が窓の外を眺めながら
そう言ったのは、
5限が終わったときだった―…。





「け、京…?」

京が、いるの…?


慌てて窓の外を見ると、

校門前には、よく見慣れた車が
とまっていて…。


「七菜のこと、迎えにでも来たの
かな?でもまだ、あと1時間授業
あるのにね」

「そう…だね……」

迎えになんか、来なくていい。


今はまだ、
心の整理がつかないから、
京に会いたくなかったのに…。




なんで…?