「……うん……」 紫音は、そう言って歩みを進めた。 「自分でも変だと思ってる。血の繋がったお姉さんを好きだなんて、間違ってるよね」 そんなことない。 そう否定することは、素直に出来なかった。 私に出来ることは、出来るだけ紫音が寂しくないように、腕に強く絡みつくことくらいだった。