緩やかにパーマがかかった、柔らかい茶色の髪の毛からは、甘いベリーの香りがした。 「そうよ。別れたの」 天音の香りが、腹立たしい。 私はそれだけ言って立ち上がると、天音から離れた。 「沙絢!何かあったら相談に乗るからね!」 その言葉を背中で聞きながら、 「あんたは秀の話でも聞いてなよ」 私は汚い言葉を呟いてしまった。