「え!?だって別れたんでしょ?」 「そうなんだけど…手を繋がれて、少しドキドキしちゃった私にも油断があったの。……それに」 秀は、あの時私に言おうとした。 まだ、私が『好き』なんだって。 もし、シオンが来ていなかったら? あのまま、秀が、私を押し切っていたら? 「いまさら、だよね。本当」 私は体の向きを変えて、シオンと向き合った。