部屋も外も真っ暗で、聞こえるのは強くなった雨の音と、秀の息遣いだけ。 秀の顔は全く見えない。 真っ黒な、誰かも分からない、秀の顔のある場所を見つめながら、強い悲しみが襲ってきた。 無理やり私の唇を奪ったのは、本当に、私が好き『だった』秀なのだろうか? 「出ていって。荷物は後で送るから…お願いだから、今すぐ出ていって!」 「気づいたんだ!俺はまだお前が!」 「そんなの聞きたくない!」