【完】寂しい夜は、あなたに逢いたい。


どうして?

胸が、ドキンドキンと波打った。


これは、いきなり手をつながれて、ビックリしただけだ。

きっと、そうだ。

絶対、そうだ。



「秀、お願い。手を離して。もうアパートに着いたんだから、手をつなぐ必要もないでしょ?」



「やだ」



「やだって、どういうこ…キャア!」



アパートの扉が開くと同時に、私は部屋の中に押し倒された。