「沙絢。傘持ってこなかったの?入って入って」 そう言って私にピンクの水玉の傘を差し出してくれたのは、天音だった。 「え、ありがとう…でも、天音の帰り道とは反対だよ?」 「え?秀君から聞いてないの?」 「え?」 「今日、私も一緒するんだよ。秀君に誘われたけど、二人で会うのも変かなあ…って」 「へ、へえ…そうなんだ」