「君、名前は?」 「俺は…シオン。お姉さんは?」 「私は、沙絢。ね…行こう」 私は彼の手を引いた。 初めて、秀以外の人とキスをした。 秀ではない唇の感触なのに、シオンを簡単に受け入れてしまった。 キスをしている間、不思議と寂しさはどこかへ行ってしまって、落ち着いた。 頷いたということは、シオンも、私と同じことを思ったからなのかな?