「もう、すでに親ばかなんだから」 アパートの二階から、職場へ向かってダッシュをする紫音を見ながら、私は優しく微笑んだ。 桜が風に乗って、雨みたいに降り注いだ。 「あ…そうだ。天音の結婚式の出席の返事出さなきゃ」 私は窓を閉めて、引き出しの中から、ハガキを取り出した。