紫音の傘は薄い水色で、ビルの光ですっと透けて、青空みたいだった。 「沙絢」 歩き始めた時、目の前にいたのは秀だった。 「なに、してるの?」 秀は耳の先と鼻の先が赤くなっていて、長い時間そこにいたようだった。 「あの…この前は、ゴメン!!」 秀は、私に頭を下げて謝った。