「天音」



追いかけてくる天音が、立ち止まった私に追突した。



「わっ…びっくりした」



「ごめん…あの…紫音は、雨の夜の次の日、どんな顔して家に帰ってきたのかな?」



天音は、私の質問を聞いて、ほっとしたような顔をして笑った。


そして、



「また朝帰りかーって、冗談で怒る私に、いつもの生意気な顔で、うるせーよって答えてくれたよ」



そっか…吹っ切れたって言ってたのは、本当だったみたい……。