「どうして沙絢さんは、俺の気持ちを分かってくれるの?」 「それは……」 きっと、あなたが好きだからだよ、紫音。 初めて会った時は、同じものを感じたからだけれど。 今は、必死に紫音の声と表情で、気持ちを感じ取るために、私の五感を研ぎ澄ませてる。 好きじゃなかったら、こんなに見つめないし、紫音の冷たくなった頬に、手を延ばしたりしない。