「隠してるつもりだったんだけど…天音は気づいてたみたいで。 俺を諦めさせるために、俺がいつも雨の日に傘を持って迎えに行く場所から見えるところで、彼氏とキスしてたんだ」 「……辛かったね……」 「だけど、あの日。沙絢さんのおかげで、俺は救われたんだ」 紫音が私を見下ろす。 私も紫音を見上げる。