少年は遊び疲れてしまったからか、母親の膝の上に座ると、うとうとし始めた。


「お母さんもね、知ってるよ。一匹の強く綺麗に生きた蝶々の話。」



「えー!どんなお話?どんなお話?」



眠たい目をこすりながらも、少年は母親の話を聞きたいと促した。



「それはね、お母さんのおばあちゃんの話なの。」



暗く、苦しく、切ない幼虫期間を乗り越え



見事美しく優雅に舞う蝶のようになった一人の少女の物語―――