そして二人は手を繋ぎ、純の家に向かった。

純の家までの家路では、誕生日や血液型など、他愛のない話をして歩いた。


「あの、私の家ここです」


純はそう言って、一軒の家の前で足を止めた。

どこにでもあるような普通の一軒家で、家には明かりがついておらず、ぼんやりと街灯に照らされていた。


「送っていただき、ありがとうございます」


純は、笑顔でそう言った。


「どうってことないよ。じゃぁ、また連絡するね」


二人は、お互いを見つめあい、名残惜しそうに手を離した。


「お休みなさい…」

「お休み」


渉も少し物寂しげな笑顔でそう言って、純の家を後にした。

純は、渉が見えなくなるまで見送ると、家へ入った。