天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ

「盛り上がっている所を悪いが」

睨み合う宜虎、骸南、こはくの三人に、龍娘が声をかける。

「トーナメントに参加するのならば名簿に記載してくれ。この名簿…ん?」

机に置いてあった名簿を手に取ろうとして、龍娘はいつの間にか名簿がなくなっている事に気づく。

視線を彷徨わせると。

「探しているのはコイツか…?」

気配も感じさせず、一人の黒装束の男子生徒が名簿を龍娘の脇に置いた。

「!?」

驚愕する龍娘、そして龍太郎達。

これだけの手練が揃う中、誰一人として気づかせずに接近しているとは。

「隠形(おんぎょう)はいささか自信があるのでな」

銀髪に赤い瞳。

目立つ容姿でありながら、朱崎 茜(しゅざき あかね)の隠密としての実力は本物だった。