天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ

「貴方が宜虎さんですか…先日は主人が酷い怪我を負わせてしまったそうで…」

他意もなく、深々と頭を下げるこはく。

「止してくれよ、俺っちもアンタの旦那に刃を向けた身だ。唾はかけられても頭を下げられる事ぁねぇやな」

こはくの謝罪を、粋に水に流す宜虎。

「それよりも、アンタぁ噂によるとあの『鬼』よりも強ぇってぇ話じゃねぇか…するってぇと…」

宜虎の眼が細まる。

「アンタをぶっちめりゃあ、自動的に俺ぁあの体育教師にも勝てるってぇ寸法だよなぁ…?」

「あら…」

にこやかに笑うこはくと、不敵に笑う宜虎。

両者の間に、表情とは裏腹の空気が流れる…。

しかしその空気を。

「!!」

二刀の刃が切り裂くように割って入った!