天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ

組み合わせにまだ会場が興奮冷めやらぬ中。

「それでは第一試合のこはくと朱崎、リング中央へ」

審判の龍娘の声で、両者がリング中央へと出る。

「夕城の奥方…一度手合わせ願いたかった」

銀髪に隠れた赤い瞳が、鋭く射抜く。

その射掛けるような視線を受け流すように、こはくは涼しい顔。

「お手柔らかにお願いしますね」

(よく言う…)

やんわり微笑むこはくに、茜の表情は動かない。