救護テント。
保健委員長の治癒能力で傷を治し、龍太郎が意識を取り戻す様を、逸早くやって来た無口少女は見ていた。
「……おぉ…来てたのか…」
簡易ベッドの上で目を覚ます龍太郎を、無口少女は覗き込む。
『龍太郎君、大丈夫…?』
心配そうに見つめる無口少女。
そんな彼女の視線が、何だか辛くて。
「っっっ…」
龍太郎は傷が治ったばかりだというのに身を起こし、顔を背ける。
…肩が揺れる。
微かに聞こえるのは嗚咽か。
「はっ…ははっ…また負けちまった…しょうがねぇなぁ…そりゃフルボッコとか言われる訳だ…」
何とか笑って誤魔化そうとするものの、涙声は隠せない。
そんな彼の背中に。
『龍太郎君』
無口少女はそっと額を当てる。
『雪菜ちゃん庇ったんだよね…立派だったよ…かっこよかったよ…龍太郎君は強いよ…』
保健委員長の治癒能力で傷を治し、龍太郎が意識を取り戻す様を、逸早くやって来た無口少女は見ていた。
「……おぉ…来てたのか…」
簡易ベッドの上で目を覚ます龍太郎を、無口少女は覗き込む。
『龍太郎君、大丈夫…?』
心配そうに見つめる無口少女。
そんな彼女の視線が、何だか辛くて。
「っっっ…」
龍太郎は傷が治ったばかりだというのに身を起こし、顔を背ける。
…肩が揺れる。
微かに聞こえるのは嗚咽か。
「はっ…ははっ…また負けちまった…しょうがねぇなぁ…そりゃフルボッコとか言われる訳だ…」
何とか笑って誤魔化そうとするものの、涙声は隠せない。
そんな彼の背中に。
『龍太郎君』
無口少女はそっと額を当てる。
『雪菜ちゃん庇ったんだよね…立派だったよ…かっこよかったよ…龍太郎君は強いよ…』


