血が飛び散る。

研ぎ澄まされた黄昏が宙を舞う。

受け太刀すら間に合わず、閃光が閃いた。

大鎌はこはくの左肩から右の脇腹にかけてを袈裟斬りにし、彼女の体を吹き飛ばす。

…リング上に倒れるこはく。

胸からは鮮血。

それを確認するかしないかのうちに。

「!」

リング上に立つ男の姿があった。

袴姿、隻眼、青みがかった刀を手にした侍。

「因幡…向き直れ」