天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ

その身から漂うは死の影か。

傍らに立たれるだけで、こはくの肌が粟立つ。

「刀傷をつけられ、身を打たれ…何もかも初めての経験です…こはくさん…」

大鎌を突きつけたまま、白髪の舞白は呟く。

「貴女は本当に超人です…私に『空間跳躍』による回避をさせたのは龍娘先生に続いて二人目…『本気の空間跳躍』をさせたのは、こはくさんが初めてです…」

リードグレイの髪が白髪化するのは、舞白が死神としての能力を行使している証。

そしてその姿を持続させているという事は、舞白が本気になっているという事。

「侮った言い方ではありますが…人間相手に本気になる必要なんてないと思っていました…ましてやこんなお遊びの戦いで…」

こはくの白い喉元に微かに触れる、魂を刈り取る刃。

ツツ…と、白い肌に赤い筋が伝う。

その刃が首を刎ねる前に。

「ふっ!」

こはくは瞬時にしゃがみ込み、水面蹴りで舞白の足を払う!

…つもりだった。

その足が、背後にないと気づくまでは。

舞白は。

「!!!!!!」

逆さまになったまま、空中に浮かんでいた。