控え室を出て、リングへと向かう。

既にリング開始線で待っている舞白。

…曇天の空は今にも泣き出しそう。

事実時折、ポツリポツリと雨粒が床を濡らす。

そんな中、二人の少女は対峙した。

「…………」

懐中時計に視線を落とす舞白。

「何度も『時間』が止まりかけた形跡があります…栗花落さん…命を落としかけた経験は?」

「…とりあえず片手では足りんかのぅ」

年寄りキャラでおどける苺愛。

「…そんな若さで…不憫な事です…」

懐中時計を懐にしまった舞白は。

「今日で両手でも足りなくなりますよ…?」

冷ややかな笑みを浮かべた。