「そうか……」

「春疾とりあえず、続きをみましょう?」

「そうだな」


手紙の続きを手にした。




『そして、春疾たちよりも30分ほどくらいに遅れてくるであろう藤本洸様、皆川涼太様へ』


「え!? 俺たちも?」

目を見開いた藤本と皆川。

驚いたのはまさか、自分たちも手紙に入っているとは思わなかったからだ。


「どうして……俺たちもなんだ……」

「さぁ? でも、30分ほどとか……当たってますし……」

「軽くエスパーかよって感じさせられるな」

「そうですね……でも、千早先輩はそんな感じの人でしたよ」

あははと苦笑する皆川に藤本は同感した。


「雲のようなヤツだったな」

「そうですね……」

「皆川……藤本先生……」

藤本たちも同じことを思っていたんだと春疾は感じた。

そして、きっとあいつには誰にも敵わないんだろうなぁと思ってしまった。


「続き読みますね」

「はい」

「そうしてくれ」


春疾たちはまた手紙の続きを読み始める。


『まぁ、ありきたりなセリフですが、この手紙を読んでいるということは私は死に絶えた、そして皆様を空の上から見下しながら、高みの見物をしながら見守っていることでしょう。』

「「「「「「おい!!」」」」」」

しょっぱなから突っ込みを入れさせるな!!

なんだよ!! 見下しながらって!!

頭痛がしてくる千早の父はこめかみを抑え、千早の母は苦笑いをし、ごめんなさいねとだけ言う。

春疾たちはあきれてものも言えぬと感じで、おまけに妖艶な笑みを浮かべ偉そうに言う姿がこの場にいる全員が浮かべることができた。


『そうですねぇ~。実際手紙を書くとなると何を書いていいのやらさっぱりですし、これといって何も書くことがないと言えば嘘になります。というか、むしろ書くことが多すぎて面倒臭いです』