冬のカラス

しまった。



その鼻歌まじりの低い声を聞き、肩の力が一気に抜けるのを感じた。



最後の最後に見つかってしまった。



紛れもない、声の主は山田先生だ。



「おはようございます」と、一応挨拶をしてみる。



「おはようございますじゃないだろう!今何時だと思ってるんだ!」



ほら来た。



ならおはようございます、と言わない方が良かっただろうか 。