丹下 龍太郎は只今留守にしております

「!」

突然鳴り響くアリスカの携帯。

液晶画面には、『龍娘先生』と表示されている。

慌てて通話ボタンを押すアリスカ。

「もしもし?」

『おーアリスカか。今日暇か?小夜も誘って、たまには女同士でランチでもどうだ?先日体育教師の愛妻と食事に行ったら楽しかったのでな、今度はお前達ともどうかと思ってな』

この緊急事態に、呑気な事を言う龍娘。

「せ、先生っ、あのっ…」

『雛菊も誘おうと思って連絡したのだが、アイツ携帯を置きっ放しにして出かけているらしくてな、捕まらんのだ』

「先生、その雛菊ちゃんならここにいます!」

まだ事件の事を知らないのか。

アリスカはまくし立てる。