「む゛~……」

ベッドからようやくノソノソ起き上がり、可愛らしいパジャマの上にカーディガンだけ羽織って、アリスカは玄関先へと出て行く。

ドアの鍵を開け。

「誰ぇ?こんな朝早くから…」

少しだけ扉を開けた瞬間。

「ふぇぇえぇええんっ!アリスカち~んっっ!」

その僅かな隙間を抉じ開けて、小麦色の弾丸が突破してくる!

抱きつくというよりは、ほぼタックルに近い。

「ぐえ゛っ!」

鳩尾辺りに痛烈な体当たりを決められ、アリスカは可愛らしい顔に似合わぬガマガエルのような呻き声を上げて転倒した。