奇跡みたいな奇跡

私達はグランドを1周まわって
中学校をあとにした

雪が降っている中
冷たい手をたっちゃんの手に
絡めた

「たっちゃんの手あったか~い」

たっちゃんの手はまるで
カイロみたいだった

「乃ノ香の手が冷たすぎンだよ」

と言ってたっちゃんは
笑っていた

私は頬をふくらましてたっちゃん
を見上げた


それにたっちゃんは
私の鼻をつんっとして

「その顔反則~」

とたっちゃんはにやけていた

「たっちゃんが悪いんだよ!」

とたっちゃんのうでをたたいた