あなた色に染まりたい

蓮が言ったことは、絶対にその通りになるって思える。



いつもそうだから。




「シャワー浴びようかな。」



「ん、じゃあ俺帰るよ。」



とりあえず、居酒屋で付いてしまった煙草のにおいと汗を流したくて、『シャワーを浴びる』だなんて言ったけれど、蓮の予想外の一言に思わず本音が漏れる。




「ヤダ。」



「紗羽さん?」




だって、今夜は一人になりたくないんだもん。



でも……こんなこと、蓮に言っちゃダメじゃん。




「ごめん、今の忘れて。」



「忘れられるわけねぇだろ?俺、シャワー浴びたら、またここに戻ってくるから。」




蓮は、柔らかい笑みを浮かべながらそう言って、部屋を出ていった。








シャワーを浴びて、しばらくしたら、ホントに蓮が戻ってきてくれた。



少し濡れた前髪からのぞく蓮の瞳が、凄く色っぽくて、ドキドキした。



部屋では何をするわけでもなく、蓮の横にぴったりとくっついて座っていた。



凄く、落ち着くなぁ……