消灯して、布団に入ったけれど……
どうしよう……
眠れない。
隣の布団で寝ている蓮が気になって、眠れないよ。
このシーンとした静寂に耐えられなくなって、つい口を開いた。
「……蓮、寝た?」
あたしの声に、蓮がゴソッと動き、そのままこっちに体を向けた。
「起きてるよ。紗羽さん、寝れないの?」
「うん」
「……そっちに、入ってもいい?」
え!?
入るって……この布団!?
あたしが動揺していることに気付いたのか、蓮が安心させるかのように、付け加える。
「何もしない……あ、でも抱き締めるかも」
その言葉にドキッとしながらも、優しく放たれた声に、つい……
「いいよ」
と言ってしまった。
そしたら、蓮がゆっくりとあたしの布団に入ってきた。
凄く、ドキドキする。
首の下に蓮の右腕が入ってきて、腕枕された。
左手で自分の左胸を押さえ、その場所の浴衣をギュッと握った。
でも治まるどころか、さらにドキドキが早くなる。
そして……蓮の左腕があたしの上にかぶさって、そのまま抱き締められた。
「ダ、ダメ!」
つい、大きな声が出た。
だって……
くっついたら、このドキドキが伝わっちゃうんだもん。
でも蓮は眉をハの字に曲げながら、あたしの顔を覗き込んでくる。
「何で?俺、さっき抱き締めるかもつったけど、紗羽さん何も言わなかったのに」


