あなた色に染まりたい

「抑えがきかなくなる」




そう言った蓮は、そのまま屈んでキスをしてきた。




「…んっ…」




こんな寒空の下にいるから、お互いの唇が冷たく乾燥していて、触れる度にチクチクする。


でも唇を割って、生暖かい蓮の舌が滑り込んできてからは、冷たかった唇も暖かくなり、潤いも取り戻される。



「……れ、んッ…」




突然、パッと体を離した蓮。




「れ…ん?」


「も、ダメだっ……俺、我慢できね」


「えっ」




蓮はそのままあたしの手を引いて、早足で歩き始めた。




「ちょっ、蓮!?」




何が起こったのか、さっぱりわからない。


気付いた時には、車まで来ていて、そのまま助手席に押し込まれた。


蓮も運転席のドアを開けて入ってくる。




「蓮、どうしたの?」


「紗羽のこと、今すぐに欲しくなった」


「……っ!」