あなた色に染まりたい

「紗羽、着いたぞ」


「あ、うん」




そういえば、いつの間にか景色が真っ暗だった。




「少し歩こうか?」


「うん」




車を降りると、やっぱり




「寒い」


「だな」


「ホワイトクリスマスになるのは嬉しいけど、やっぱり寒いのは嫌だ」


「ん、俺も」




そう言った蓮はあたしの肩に腕を回して、ぎゅっと抱き寄せた。




「くっついて歩こうか?」




こうやってくっつくと、服越しにだけど、蓮の温もりを感じる。




「あったかい」




あたしも蓮のコートをつかみながら、歩みを進める。


真っ暗なせいか、足元がよくわからない。


とりあえず蓮が引っ張ってくれるから、あたしもそれに合わせて歩いた。