あなた色に染まりたい

「紗羽」




蓮の顔を見れなくて、背中を向けるように寝返った。




「紗羽、ごめん」


「……」




その『ごめん』は、何に対してのもの?


あたし、やっぱり振られちゃうの?



あ……


でもあたしだって、エッチは未遂とはいえ晴希とキスはした。


これでお互いにスッキリと別れられるんだ。


ホントは、スッキリなんてしていないけれど……




「蓮、別れよ」


「は?」


「あたし、もう無理だよ」




また涙が……


どれだけ出てくるんだろう。




「蓮は、あたしのこと……もう、好きじゃないんでしょ?」


「何だ、それ……言っとくけど、紗羽が見たのは誤解だからな」




誤解?


何が、どう誤解なの?


女の子が部屋の中にいたのは事実なんだよ?




「もういいよ……聞きたくない」




本心だった。


でも……




「紗羽!こっち向けって!」




蓮は荒げた声でそう言いながら、あたしの肩をつかんで自分の方へ向かせたけれど……




「な、んで……服着てねぇの?」


「……」