あなた色に染まりたい

「たまには場所変えるのもありだよねー」


「うんうん、確かに。あたし今日ならお手伝いに行けるよ」



蓮は今日も明日もバイトだし……でも美香が今日来れるなら



「じゃあ今日にしよう!」


「ちょっ、勝手に決めんなよ!」



明るく言ったあたしの一言に、晴希は焦りを見せた。


その上、いつもからかわれてばかりの美香は、ここぞとばかりに一喝するような言葉を放つ。



「男ならグダグダ言わないの。もう決まったんだからね」


「最悪……」


「ご愁傷さま」



うなだれる晴希を、悟が宥めていた。





晴希が運転する車の後ろに、美香と肩を並べて座り、ペチャクチャおしゃべり……


そんな空気を破るように晴希が口を開く。



「最初に言っとくけど、ホンッッットにきたねぇぞ。引くなよ?」


「男の一人暮らしなんて汚いもんだよ。しかも彼女なしならなおさらね」


「彼女なしとか言うなよ……なんかちょっとへこむ」


「晴希、モテるのにねぇ……」



沈んだ声を出す晴希に、美香が呟くように言うけど……


晴希に関してのこの話題は、あたしには正直気まずい。