あなた色に染まりたい




「晴希ぃー、ハッピーバースデー!」




気が付けばもう11月に入り、今日10日は晴希の誕生日。




「おぉ、サンキュー!」


「今日も悟んちで飲むからね。」


「はは……楽しみにしとく。」




あれから、晴希とは大輝の話をすることはなくなった。


あたしに気を遣っているのか、晴希自身ショックで口に出したくないのかは、わからないけれど。




今日も五人で、食堂に集まってお昼ご飯を食べた。


そのあともみんな講義がなかったから、ワイワイ楽しく過ごしていた。




「なんかキャーキャー聞こえない?」




美香がキョロキョロしながら言うのを聞いて




「確かに。なにかあったのかな?」




どこか遠くで、キャーキャー騒いでいる声が聞こえてきた。


気にはなったけれど、他人事だった。


そう、他人事だったんだ――…