あなた色に染まりたい




翌日から、蓮といられる時は一緒にいて、いられない時は美香か悟か晴希といるようになった。


いつも一人で受ける講義も、今は晴希と一緒。




「なぁ紗羽。俺、ずっと気になってたことがあったんだけどさ。」




その講義中に晴希が話し掛けてきた。




「何?」


「大輝さんとはいつ別れたんだよ?」


「えっ……何で今更大輝?」


「だからずっと気になってたんだって。」




まさか晴希から、大輝の話をされるなんて思ってなくて……


感情を抑えるようにして、それに答える。




「卒業してすぐに別れた。」


「は?そんな前?」


「うん。」




晴希は心底ビックリしているようで、なぜか少し、動揺しているようにも見える。




「何で?」


「振られたの。」




別れた理由を、詳しく話すつもりはなかった。


浮気されて別れたなんて……


振られたようなもの。




「マジ?大輝さん、紗羽のことすっげぇ大切にしてたのに?何で?」


「そんなの知らない。」




大輝のことはもう話したくなくて、素っ気なく答えた。