あなた色に染まりたい

「何でアパート?」




美香が首をかしげながら晴希に聞いているけれど……それはあたしも知りたい。




「あいつ、ホントに気に入った子だと、家までおしかけるらしいんだよ。」


「ストーカーじゃん!」




アパートにまで来ちゃうの?


怖いよ……


その光景を想像して、体が震えてきた。


蓮が抱き締めてくれるけれど、震えは止まらない。




「紗羽、大丈夫だ。」


「蓮……」




蓮の腰に腕を回して、不安をぬぐい去るようにギュッとしがみつくけれど、やっぱり怖いものは……怖い。




「こんな時に悪いんだけどさ……」




晴希が申し訳なさそうに口を開いた。




「紗羽と蓮って付き合ってんの?」


「付き合ってます。」




すかさず蓮が答える。




「わっ、マジ?いつの間に……」


「晴希さん。」


「何だよ?」


「ホントは俺がずっと紗羽の傍にいれたらいいんですけど、講義中はやっぱり無理で……だから、その時は紗羽のことお願いします。」




蓮……