残暑だ、残暑だと世間で言われいてもやっぱり秋は訪れるもので。

外の空気はもう冬の準備を始めているんだと感じ始めずにはいられない
10月ー。

仕事が終わって丁度バックルームに戻った時だった。

ピッピッピッ

タイミング良くあたしの携帯が鳴った



「もしもーし」

『もしもーし。ミオちゃんお疲れー』



ヨウスケくんからだった



「お疲れ様ー!あれー?ヨウスケくん今日休み?」

『おぅ』



わーわー
仕事の疲れが飛んでくよー!



「どうしたのー?」

『やー………』



ん?



「ヨウスケくん?どした?」

『…もしひまだったらおれの家来ねぇ?』



あれ?



あたしはその声に違和感を覚えた。



「うん予定なかったし大丈夫だよー!」

『おーしたら飲み物用意して待ってるわー』

「はーい。じゃーあたしも適当に何か買ってくね」

『おーじゃあまた後で』

「うん、じゃあ後でねー」



ピッ



「………」



“ヨウスケくんの声にいつもの明るさがない”

そう
思ったからだ。
だけどあたしはあえて何も触れず電話を切った。

…そして

“やっぱり”

と、
思った



「………」



どうしちゃったんだろう。

や、別に後で聞けばいいだけの話なんだけど。
てか、そんな深く考える必要もないんだろうけど。



「んー……」



だけど。
あたしにはどうしても今の電話に何か引っ掛かるものがあった

“最近ヨウスケくんの様子がおかしい”

そう感じる事が最近、やたら多かったからだ。