「細かけぇよなぁーおれも。それ知った時の事とか今でもすげー覚えてんの」
「…いや、」
「まぁ。今だったらな、おれも大人だし絶対違ったんだろうけど」
「うん」
「でもあの時はまだ全然ガキだったから…さ、すげぇショックで。」
「…うん」
信用されていなかったからなのか
年下だったからなのか
自分が子供過ぎたからなのか
思いが重過ぎたからなのか
すき過ぎて周りが見えなくなっていたからのか
とにかく何もかもが辛かった。
…初めて
ひとりの人を
思って泣いた
共通の知り合いなんていなかったからそれっきり。
だから
今どこでその彼女が何をしてるのかも全くわからない。
だけど。
学校にもロクに行かないで
街で仲間とつるんでケンカばかり繰り返していたおれを救い上げてくれた
たったひとりの人だった
「もう、きっとあんなヤツには出会えない」
ヨウスケくんは言い切った。
「アイツがいたから」
その人がいたから
「お陰で毎日学校へ行く様になったし、無事卒業する事ができた」
ヨウスケくんは変われて
「その間にも、今まで女の子といくつか出会いがあった」
だけど
「だけど、」
その人の事を
「すき、一緒にいたい、結婚したい。
そう言われると何かが違うと思っちゃうんだよ」
「うん」
忘れられなかったんだね
