その日の夜ー。
「…ミオちゃん?」
「………」
「ミオちゃん?」
「………」
「ミーオーちゃーん?」
「…ん? あっ! はい!!」
やだ。
何、昔の事思い出しちゃってるのよ あたし。
「どうしたんだよ?今ボーっとしてたろ?」
「あっ、ごめんっ」
「いや、いいんだけどさ。だから、ミオちゃんの誕生日、どうする?」
「誕生日…?」
いつものように。
ヨウスケくんからのお誘い電話がかかって来てあてのないドライブ中。
「ほらな、やっぱ聞いてない」
笑いながらヨウスケくんが言った
「そ。来月ミオちゃん誕生日だろ?丁度桜も満開の時期だし、ちょっと遠出して桜でも見に行くか?」
「…はぁーそうなんだよねー。
あたし誕生日もう時期なんだよねー」
「ただただ老いてくだけだな」
「いやー!なんでそうやってそんな事平気で言うのさ!」
「だって本当の事だろーが」
「もう信じらんない!」
「はははっうそうそっ」
もう!ヨウスケくんったら本当失礼なんだからっ……って
…ん?
桜?
や 違くて。
誕生日…??
「あれ…?今、さ。あたしの誕生日桜見に行くとか言ったよね?」
「おぅ」
「………え、え、一緒にお祝いしてくれるって事、なの…?」
「おぅ」
「えーっ!!!!!!」