菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~



やっぱり……。



もう終わりにするしかないのかな…。

このまま“いい思い出”としてココロの中にしまいこんでしまうしかないのかな……。


これ以上、どんなに王子のことを想ってみても、肝心の王子がいないんじゃ、どうしようもない……。



それに……、



王子がわざわざ“魔法のチョコ”のレシピを教えてくれたったことは、自分のことなんか早く忘れて、他の男の人を好きになれってことだと思うし…。

向こうにその気がない以上、諦めるしかないってことなのかもしれないし……。



どうしたらいいのか分からなくなったあたしは、過ぎ去った過去の思い出に浸るように、これまで王子と交わしてきたメールや写メをぼんやりと見直していた。

どれもみんな、たあいもない内容のメールだったし、他の人が見ればナンの意味もないような写メばかりだった。