だけど……
おナベでチョコを溶かそうとしていたあたしは、思いっきりチョコを焦がしてしまった。
「うわっ…こげクサっ……」
早速、王子にチョコが焦げたことをメールで報告するあたし。
すると…、
『チョコは高温の直火で溶かすと成分のカカオバターが分離するから、人間の体温――つまり36℃の湯せんにかけて溶かすこと』
…っていう返信メールが届いた。
「そっか、高温じゃダメなんだ……」
そして王子の指示どおり、細かくしたチョコをボールに入れると、そのボールを36℃のお湯に入れて、ボール全体を暖めながらチョコを溶かしてみることにした。
「よしよし♪」
今度はチョコ全体がまんべんなくトロリと溶けて、さっきみたいにカカオバターの油が表面に浮くこともなくなった。


