菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~


「パパ……」

これじゃ、学校の帰りに寄り道することもできないよぉ…。


あたしにはもうなんの自由も残されてないの!?



いや、違う―――



「ピロピロリ~ン♪」



学校からの帰り、リムジンで自宅に向かっていたあたしのケータイにメールが届いた。

どーせ千夏か朋子からだろうと思いながら、ケータイを手に取ると…、

「…!?」

なんとそれは待ちわびて、半分諦めかけていた王子からのメールだった。

あたしのケータイから王子の番号とアドレスを消去しなかったのは、パパがおかした唯一のミスだ。

でも王子からのメールを開封してみると、それはあたしが期待したような内容のものではなく、絶対に両想いになれるという“魔法のチョコ”のレシピだった。