菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~




「ココはどこ……」



今夜の初詣に限らず、遊びに行くときなんかは、いつも他人まかせで千夏たちに連れていってもらっていたあたし。

だから、そもそもココがどこかも分からないし、どうやってウチに帰ったらいいのかも、あたしには全然分からない。


一瞬、ケータイで千夏たちに迎えに来てもらおうかとも思ったけど、また他人に甘えてばかりと思われるのはイヤだった。

だからココロの中でこう叫んだ…、

“こーなりゃ、意地でもあたし一人だけのチカラで家に帰ってやるよっ!!”

…って。


でも知らない町は“迷路”みたいで、あたしは迷いに迷いまくった。

おまけに真夜中だし、暗いし、寒いし、一人だし、怖いし、心細いし……。

歩き疲れて、なれない着物と履き物のせいで疲れもピークに達した頃、暗闇の向こうから若い男の人たちの声が聞こえてきた。